インティグリティとは何か?を前編で解説しましたが、後編では、なぜインティグリティが必要なのか、完全な状態になるためには、どうしたら良いかを、スポーツの価値を含めて解説していきます。
インティグリティが必要な理由
実は、スポーツ庁の調査でもバスケットの指導者への苦情が、日本で1番多いということがわかっています。原因としては、試合中の指導者と選手の距離が近いこともありますが、室内スポーツのため、声を荒げれば、会場にいるすべての人に聞こえてることも考えられます。
だから、インティグリティが必要というわけではなく、熱心に指導するのは良いけど「限度」をこえると、観ていて気持ちのいいものでもないし、何よりバスケの価値を下げるということになります。
スポーツの価値とは?
スポーツの価値は、
・世界人類の文化
・世界平和
・育成に影響をおよぼす
と言われています。
では、指導者が暴言を吐いたとします。すると、「指導者ってイヤだな…」となり→「バスケの指導者は…」となり→「バスケは…」となります。
さらに「バスケはイヤだな…」となり→バスケの価値が下がると「バスケに関わるすべての人の価値が下がる」ということになるのです。
どのスポーツにも、インティグリティというものがあり、それは「さまざまなキョウイにより欠けることなく、価値ある高潔な状態」でなくなってしまうと、インティグリティがおびやかされるということになります。(少しムズカシイですね。)
完全な状態というものになるには、どうしたらいいか4つのポイント
①バスケの価値を下げるような行動をさけましょう。そして、コーチは全ての関係者に対して影響力があり、かつ責任ある立場であることを理解しましょう。
②当事者同士では「問題ない」ということはない。ということをおぼえておきましょう。たとえば、指導者が子どもをたたいて教えることを、そのチームの保護者がOKと言っていても、その指導のやり方は、バスケ界ではアウトということです。
③バスケの価値を下げる行動や態度は、プレーヤーの未来や、バスケの未来を閉ざすことになることを頭に入れておくこと。
④一歩引いた自分から、自分を見てみよう。そして、◯◯さんだったら、どうするか?など、尊敬できる指導者と自分を置きかえて考えてみること。これらを、意識できれば完全な状態になれると講習会では説明していました。
さいごに
指導者というものは「孤独」です。なので、辛かったり悩んだりした時は、指導者が集まる場で対話すれば良いのです。JBAにインティグリティ委員会が設立されて、小学生、中学生、高校生の指導者の選手への対応は、良くなっているそうです。
今後、一人の指導者のせいで、バスケの価値を下げたり、バスケを好きな子どもが、バスケをキライになることがないように、一人一人が責任を持ち、努力していきましょう。