あなたが嫌いな練習を、子どもは好きだったりする。

あなたが嫌いな練習を、子どもは好きだったりする。
PR

子どもの立場になって考えられる指導者ほど、「この練習は、子どもにとって苦痛なのではないか?」と考えてしまうもの。今回は、けっしてあなた自身が嫌いで苦痛に思っていた練習でも、そうとは限らないというお話をします。

僕が現役のころ、嫌いな練習はファイブメンでした。五人がパスだけで前に進み、最後はレイアップシュートをする。これを1往復2往復と、往復の数が増えていき、最終的には5往復します。
その中で、レイアップが外れたら、外れた分だけ往復する回数が上乗せされていたため、5往復で10本のレイアップをうった場合に、2本ハズれれば、プラス2往復で、計7往復となり、体力もけずられて、レイアップの確率もどんどん落ちる。まさに無限往復の可能性を秘めた、究極にプレッシャーのかかる練習でした。
ということで、僕がファイブメンが嫌いな理由は十分に説明できたと思いますが、それにつけ加えて、スリーメン、ツーメンも嫌いでした。おそらく、ファイブメンをキッカケに「メン」のつく練習に対して、アレルギーを持ってしまったのではないかと思っています。

なので、指導者になり練習メニューを考えた時に、いつからか「このタイミングでファイブメンやツーメンを練習に入れると、子どもたちのモチベーションも下がってしまうかも」と、考えてしまうようになったのです。

ところが、子どもたちとの何気ない会話中に「好きな練習は何?」となり、数名の子どもが「ツーメンが好き!」と答えたのです。「なんで?」と聞くと、「パスとシュートが楽しい」と超シンプルな答えが返ってきたのです。この時、「ハッ」としました。
指導者の多くは、ご自身がバスケの経験者である方が多いと思いますが、この話から言えることは、「あなたが嫌いだった練習は、決してすべての子どもに当てはまらない」ということです。

ダッシュはキツいからイヤ!
ディフェンス練習は地味だからイヤ!

と、仮にあなたが思っていても、それを楽しんでやっている子もいることを知っておくことは、今後の指導に少なからずや役に立つと考えます。
そう考えると、カットインが得意な選手、ミドルショットが得意な選手、パスが得意な選手とさまざまな選手がいることや、エースキラーと呼ばれるディフェンスの鬼的な選手がいることも、一人ひとり好きなものが違い、だれかがイヤだと思うことも、みんなでおぎないながらプレーすることができるのは、バスケの魅力だなと感じました。
この記事を読んだことをキッカケに、現在指導している子どもたちに「好きな練習メニューは何?」と聞いてみると良いかもしれません。

今日はこんな記事も読まれています