小学6年生まで、わが子を溺愛した母と、息子が中学生になってからの話

小学6年生まで、わが子を溺愛した母と、息子が中学生になってからの話
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ミニバスの保護者に、すごい親がいたんです。僕が、「そのままだと、あなたの子は独り立ちできませんよ」と言うと、「それが狙い」だと言うのです。何が狙いだったかというと、息子に彼女とかができると嫉妬してしまうから、いつまでもマザコンでいて欲しいと願う親でした。あれから数年たちましたので、結果を報告します。

女の子に興味のない小学生生活を送る

僕の教え子ですが、「バスケ以外のことに興味ありません」と言っていて、小学6年生にもなれば、気になる女の子の一人や二人くらいはいるのが普通なのかと思っていましたが、彼は違いました。
母親は、息子のことが大好きでかなりの愛をそそいでいることも知っていました。たとえば、ミニバスがお休みの日は、一緒にショッピング、息子の好きなカードゲーム大会に連れて行く。バスケがしたいと言えば、体育館をおさえに行くと、わがままを全部聞いてあげていました。
もちろん、わがままを聞くのですが礼儀やおんとオフの切りかえはキチっとやらせるお母さんでした。卒業するまで、息子も「お母さん、お母さん」といつもお母さんを呼んでいる状態で、これには僕も「マザコンまっしぐら」だと思っていました。

中学入学後、1ヶ月で彼女ができる

息子を溺愛する保護者から電話があり「〇〇くんに彼女ができたっぽいから聞いて欲しい」と言われました。マザコンの彼に彼女が?と疑いましたが、母親が勝手に息子の携帯を見ていたので、中学入学後そうそうに彼女ができていることが確認できました。とても凹んでいました。
「どうやったら別れるか一緒に考えて欲しい」と言われて困りましたが、3ヶ月くらいでお別れしたそうです。ちなみに、「息子の携帯を勝手に見るのは良くない」と言いましたが、「でも気になるから」と言って聞きませんでした。

中学在学中、常に彼女がいた

別れたあとも、彼のモテっぷりは止まりません。バスケもそこそこできるし、リーダーシップもある子だったので、なんら不思議なことはありませんでしたが、親がかなり凹んでいましたが、それでも小学生の時と同じように変わらぬ愛をそそぎ続けたそうです。

もう止まらない

親の「永遠にマザコン」であって欲しい気持ちとは裏腹に、小学生まで女の子にまったく興味のなかったわが子が、中学生になったとたんに、異性に興味を持ち中学1年生にして女性と付き合い、卒業するまで彼女という存在が途切れることはありませんでした。
ではなぜ、小学6年生まで愛情をそそぎ続けた息子が、中学生になって変化したのか考えたところ、原因は親にあると気づきました。

人を愛して尽くすことを教えた母親

お母さんが、息子に対して愛情をそそぎ続けた結果、人を愛する大切さに気づき同級生の女の子を好きになったものだということに気づきました。「愛情のそそぎすぎが裏目に出た」というと、親目線の考えになりますが、【お母さんのことをずっと大好きでいる】ようにした結果、ストレートに自分の気持ちを相手に伝えられる、立派な男の子になってしまったのです。
そんな彼も、もうすぐ大学生、LINEの待ち受けは彼女と撮った写真になっています。

まとめ

数年前に、その保護者があらわれて、最初に話を聞いた時は「本当にやばい親だ」と思っていましたが、結論は、子どもは親の思い通りにはならなかったということがわかりました。いくら親が、「子どもがこうなるように仕向けよう」と思っても、絶対にそうならないし、中学生になり考え方も大人に近づくと自分の考え方が確立されるようになるのだろうと考えました。
子離れは、いつか必ず来ますが、愛情が足りていない子どもほど、遅いような気もしますし、親が願う将来の子どもの姿は、予測できないことを学びました。子どもの心の成長は、非常に早く、突然くることを知り、勉強になるデキゴトでした。

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