長年、女子を指導してきましたが、今までの僕の経験や、これまでの反省もふまえて年代ごとにお話したいと思います。厳しさを5段階で評価しています。
1.初めて女子の指導をした時（厳しさレベル4）
僕が男ということもあり、小学生の女の子との接し方がわからず、知らないところで傷つけていたり、嫌われることをしていたような気がします。必要以上の会話もなかったので、女の子たちはバスケの時は「指導者」として指示を聞いてくれた感じです。
バスケが終わった後や、練習と関係のないところでは、会話もほとんどなく、小学生の方から「何か話すキッカケはないか？」という感じで、気をつかってくれたような気がします。意図的に厳しくしてたというより、無意識で、厳しい指導をしていたと今になって思います。
2.2代目の代（厳しさレベル5）
女の子は、男の子にくらべて3年ほど成長が早いと言いますが、頭の中も身長も考え方は大人に近づいており、とてもあつかいにくかったです。試合中、まったく指示を聞いてくれない、プライベートは用事がなければ、ほとんど無視といった感じでした。
キャプテンのお母さんと話したところ、「何を考えているのか、私もわからない」と、親でも理解できない状態、いわゆる思春期なのだと思いました。「コーチの言ってることは矛盾だらけ」「意味がわからない」と、だれもいないところで、言っていたそうです。
ただ、指示を聞いてくれないので、厳しく注意することが非常に多かった記憶があります。それが原因か、バスケでは一番結果を残した代でもありました。現在は、大人になったからか、どの代の子たちよりも顔を出してくれます。
3.3代目の代（厳しさレベル3）
だんだん小学生の女の子と話すことになれてきたのか、会話したりできるようになりました。女子も、気分によって近づいて来ては、ケラケラと笑い話をすることもありましたが、女の子たちがそういう気分ではない時は、冷ややかな目で僕を見てスルーしていました。
厳しく指導することも、ほとんどなく。かと言って甘やかしすぎるわけでもない。本当に中間のところで指導していたと思います。なので、結果もほどほどにしか出なかった気がします。今思い返せば、何もしてやれなかったと反省しています。
4.4代目の代（厳しさレベル1）
3代みてきたので、だいぶ女子のあつかいにも慣れてきたので、優しいコーチ、なんでも話せるコーチとして子どもと接してきました。4年生くらいまでは、思春期もなく、指示もしっかり聞いてくれて、反抗も一切しない、良好な関係をきずけていたので、バスケのレベルもグングン伸びていきました。
しかし、5年生の2.3学期あたりから全体的に思春期と成長期が重なり、だんだん僕をさけるようになっていきました。しまいには、試合中に指示を聞かない、無視をするようにもなっていきました。あれだけ懐いていたのに…と心配になって親に相談したところ「頭ではわかっているけど、カラダが動かない」と言っていたそうです。バスケの最終的な結果は、2代目におよびませんでした。かまいすぎたかな？と今では思います。
まとめ
僕は女の子は、いっぱい会話をして理解してあげることができれば、指示も聞いてくれて、楽しくバスケができるのだろうと思っていましたが、上でも述べたように「思春期」というものがあるため、そしてそれが男の子よりも3年ほど早いため、低学年から4年生くらいまでの間で甘やかしてしまうと、6年生になるにつれて、指導に影響が出てくることを勉強しました。
結局、指導者の時はコーチとして厳しく子どもに接して、プライベートではほとんど話さないくらいの距離感が、女の子にはちょうど良いのかなと考えるようになりました。あとは、すべての代で一番厳しく接した子は、大人になってから、一番に連絡をくれたり、顔を出してくれているような気がします。
今も低学年の女の子がたくさんいるので、5代目は、「きびしい指導者」を演じながら、卒部するまで指導していく予定です。
